赤ちゃんが寝ない…
やっと寝たのにすぐ起きてしまう…
お母さんにとって、赤ちゃんが寝てくれないのはとてもつらいもの。
産後は体を回復しなけばならない大事な時期なのに、心も体も休まりません。そして、ちょこちょこ起きている赤ちゃんの体は大丈夫なの?と心配になってしまいますね。
この記事では、赤ちゃんの睡眠のしくみと、睡眠発達のためにまず最初にやるべきことをご紹介します。「ねんね」の知識を深めていただくことで、子育てに安心を増やすお手伝いができれば幸いです♡
うたべびま先生(認定講師)の安斎麻衣です。ベビーマッサージ講師8年目になりました。
今までたくさんの親子と楽しいうたべびまの時間を共有し、また、乳幼児睡眠アドバイザーとして、夜泣きや寝かしつけに悩む方のための「ねんね講座」を開催してきました。
一緒に赤ちゃんの睡眠を考えてみましょう。
なぜ赤ちゃんは一回の睡眠時間が短い?
実は、赤ちゃんの睡眠は大人の睡眠とは「質」が違います。
全体的に大人より浅い睡眠で、また、目を覚ましやすい仕組みを備えています。
人間は眠っているとき、睡眠が深くなったり浅くなったりというサイクルを繰り返しています。赤ちゃんは、この睡眠サイクルが短いため、目を覚ましやすいタイミングも大人より頻回なのです。
この目を覚ましやすい仕組みには、睡眠という無防備な状態の中で危険がないか、寝ていても安全かどうかを確認する役割があります。
また赤ちゃんの睡眠には、レム睡眠(※下記参考)の割合が大人より多いという特徴もあります。
レム睡眠は夢を見る睡眠として知られています。
実はレム睡眠は、赤ちゃんの脳の神経回路を創るために必要な睡眠なので、脳が未成熟な乳児期には、たくさん必要です。
このレム睡眠の前後は睡眠が浅くなるため、レム睡眠が多いと浅い睡眠の回数も多くなります。
このような特徴を知ると、目を覚ましやすいことは、生きていくための大切な仕組みであり、赤ちゃんにとって自然なことだということがわかりますね。
・レム睡眠
大脳は活性化している状態の睡眠。
・ノンレム睡眠
体を支える筋力は働いていて、大脳が休んでいる状態。
ノンレム睡眠の中に、浅い眠りから深い眠りまであり、レム睡眠の前後で浅くなる。
睡眠は、ずっと一定の状態ではなく、レム睡眠・ノンレム睡眠を交互に繰り返している。
体内時計を育ててあげよう!
では、赤ちゃんの睡眠発達のためにしてあげられることはなんでしょうか?
ねんねの悩み相談をお受けする場合には、普段の様子についてお話をお聞きして、改善策をいくつか一緒に考えていきます。生活環境、家族のサポート状況、お母さん自身のお気持ち・・ご家庭によっていろいろなケースがあります。
今回は、ねんねに悩んでいる方も悩んでいない方にも、ぜひ最初に取り組んでいただきたいことをご紹介します。
それは「赤ちゃんの体内時計を育ててあげる」ということ。
人間の脳には、体のリズムを整える体内時計の中枢があります。その体内時計に最も影響を与えるのは、光環境です。
みなさんも、冬場の朝はうす暗くて目が覚めにくい、というような経験はありませんか?体内時計は、毎朝、目から光を感じることで調整されます。
赤ちゃんの体内時計の機能は、まだまだ未熟。ご家族が積極的に光環境を整えてあげることが大切です。
光環境の整え方は、朝は明るく、夜は暗くすること。
シンプルですが、意外とこれをしっかり見直すだけで、睡眠が整うケースが多くあります。それだけ光が与える体内時計への影響は大きいということです。
現代人の生活は、日没後も明るく過ごせるようになっています。
何も意識せずそのままの光環境で赤ちゃんを育てていくと、昼夜が判別しにくく、体内時計が乱れやすくなってしまうのです。
太陽の光がベストですが、空が暗い日や日当たりが悪い場合は、電気の活用もOK。大切なのは、目から入る光です。窓際やベランダで日光浴をするのも良いでしょう。
育児で寝不足のお母さんにはつらいところかもしれませんが、お父さんやおじいちゃんおばあちゃんとも協力しながら続けられるといいですね。
赤ちゃんは、お母さんの笑顔が大好きです。お母さんがひとりで抱えすぎないことも、とっても大切ですよ。
夜や夕方の明るい光には、赤ちゃんを覚醒させてしまう働きがあります。
夕方以降に過ごす場所の電気は、煌々とまぶしくないように調節してみましょう。光の色は、暖色系がおすすめ。
ブルーライトを発するテレビ・パソコン・スマホは影響が大きいので、夜はできるだけ控えめに。
寝室は、暗い方が良いです。お世話のために夜間に電気をつける場合は、暖色系の弱い光にし、間接照明など赤ちゃんの目に直接届かない場所にしましょう。
過去の個別相談では、
寝室で使用している電気製品の動作ランプが赤ちゃんの視界に入ってしまっていて、それをテープで塞いだら寝つきが良くなった
というケースもありました。
光環境を意識するだけで、体内時計が整いやすくなり、夜泣きの予防や軽減につながる場合もあります。
そして体内時計の機能が成熟してくると、だんだん夜にまとめて眠りやすくなっていきます。
朝は明るく、夕方以降は暗く。
赤ちゃんの体内時計を育むために、まず最初に取り組んでみましょう。
- 赤ちゃんの睡眠は大人の睡眠とは「質」が違う
- 赤ちゃんは睡眠サイクルが短い
- 目を覚ましやすいタイミングは大人より頻回
- 体内時計に最も影響を与える「光環境」を整えよう