新型コロナによる緊急宣言でおうち時間が増え、息が詰まっていませんか?
リトミック、ピアノ、うたべびま講師の山本栄里です。
元·幼稚園教諭で現在は1女2男を育てながら、音楽の楽しさをたくさんの人と分かち合えたらという想いを持って活動しています。
子育ては、「かわいい!」「楽しい!」でいっぱいですが、四六時中家の中にいなくてはいけない今の状況では、子どもの要求に応えたり、にぎやかさに囲まれて、自分の息抜きの時間もとれないのではないでしょうか?
小さなストレスがたまると、
- 気分が落ち込んだりする
- うつ気味になってしまう
- いつもは何ともなかったことでもイライラしてしまう。
こんなこともあるかもしれません。子育て中のママには、産後うつの症状が心配になってきます。
産後のうつ症状は出産をした10%の人にみられると言われ、このような今のような状況だと不安を感じる人の割合は、もっと多いのではないでしょうか?
では実際にどんなことをすれば前向きな気持ちで日々を過ごせるのでしょうか。
私の経験を踏まえてお伝えしていきます。
【わたしの経験】
私は第一子の出産後に産後うつを経験しました。
結婚と同時に、夫の赴任先の仙台へお引越し。
まわりには友達が一人もいない中での新生活、妊娠、出産。退院してからは、一日中、家にこもって慣れない育児に奮闘。そんな状況が続き、うつ状態になってしまいました。
その時の私は、世の中のすべてのことが、不安や心配なことだらけに感じて、意味もなく恐怖感におそわれていました。
誰かと話すこともなく表情を動かさなくなり、話したり笑うこともできません。
赤ちゃんのお世話をちゃんとして命を守らなければという重圧に押しつぶされ、
神経がたかぶり、緊張のあまり眠れないことも。
赤ちゃんの寝息や動きが気になって眠れず、ウトウトしては「眠ってしまった!」と罪悪感を覚えてしまう。赤ちゃんの泣き声におびえ、四六時中、恐怖でいっぱいな気分。
しまいには、赤ちゃんが泣かないようにと、一日中ずっと赤ちゃんを抱き、赤ちゃんが眠っていても起きないようにと腕に抱え、部屋の椅子にじーっと座っていました。
産後うつの原因は?
そんな日々が続き、私は「今、この赤ちゃんをどうにかしなければならない」という切迫した気持ちにおそわれて、赤ちゃんが大きくなっていく未来の事や、楽しいことを全く考えられない状況で今思えばその時は、産後うつの状態だったと思います。
では、なぜそのような状態になってしまったのでしょう。
産後うつの最大の原因は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが出産を境に急激に減少することだそうです。
脳や体がホルモンの変化に対応できず、自律神経のバランスが崩れて、不安や落ち込みを感じやすくなってしまうのです。
それに加えて、慣れない赤ちゃんのお世話、昼夜関係なく、おっぱい、おむつ、だっこ、の繰り返しで生活リズムもなくなり、産後は本当に大変です。
一般的にうつ病は、ホルモンバランスの乱れが影響していると言われています。
そのホルモンバランスを整えるには、
- 運動
- 音楽
- 睡眠
- 生活リズム(日光にあたる)
が効果的と言われています。
ホルモンバランスが整っているという状態は、交感神経(活動や興奮)と副交感神経(リラックスや休息)のバランスがとれていることを言います。
適度に身体を動かすことで交感神経が優位になり、音楽を聴いてリラックスしたり睡眠をとることで副交感神経が優位になる、という状態はバランスがとれていると言えますね。
赤ちゃんがいると、なかなか運動をしたり音楽を聴く時間も取れないと思います。
また、赤ちゃんや子どもに、運動をさせたり音楽を聞かせたり、そんなことにまで気が回らない!と思う方もいるでしょう。
そんなに難しく考えなくても、日常のちょっとした時に気軽にできる方法を紹介します。
気軽にできる。歌と運動とベビーマッサージ
ホルモンバランスを整えるために気軽にやってみて欲しいこと、
それは「歌う」こと。
そしてもう一つは「音楽に合わせて身体を動かす」こと。
これで、「運動」と「音楽」、どちらもできちゃいます!
といっても、きちんと本格的なものを考えないで大丈夫。
日常生活の中で、鼻歌を口ずさんだり、子どもと一緒に知っている歌を歌ったり、テレビで流れている歌を歌ったり。
音楽に合わせて身体を動かすことも、テレビの子ども番組のたいそうやダンスを親子でまねして歌ったり踊ったりや、手遊び歌などもオススメです。
創作力やユーモアのセンスがある方は、知っている歌を替え歌にして歌う、そして踊る、なんていうことをしてみても面白いですよ。
赤ちゃんはみて聞いて楽しみ、子どもはママパパとできたらとっても喜ぶと思います。
ぜひぜひやって見てくださいね。
毎日の生活の中で改めてやるのはきっかけがなくてちょっと難しい、と感じる方には「うたべびま」をおススメします。
うたべびまは、ベビーマッサージに歌をつけたものです。
ベビーだけでなく、幼児さん、小学生、中学生になっても、応用して使えますよ。親子のスキンシップは、お子さんが大きくなっても大切です。
背中をトントン、頭をポンポン、というスキンシップや、筋肉ほぐしのマッサージなどなどすると良いですよ
おじいちゃん、おばあちゃん、お友だち、など一緒に暮らす家族以外の人とのスキンシップがとりにくいこのような状況の今こそ、親子でしっかりスキンシップをとって、絆を深め、愛情を伝えてくださいね。
うたべびまがママ・パパにもたらすもの
ベビーマッサージで、赤ちゃんへの効果は割と聞くことが多いと思いますので、
今回はベビーマッサージをする人=パパ・ママ・ご家族の方への、効果について、うつとの関係にスポットライトをあてて、紹介したいと思います。
うたべびまでは、歌いながら(または、歌を聴きながら)赤ちゃんや子どもとふれあうことで、
- ママ・パパ自身も緊張がほぐれ、癒される。
- 息を深く吸い込むので、全身の血行が良くなり、気分が前向きになれる。
- 歌詞を口ずさむことで自然と表情筋が動き、幸せだったころの記憶や楽しかった記憶がよみがえる。
- 笑顔を作ることで楽しい気分になることができる。
このような効果が期待できます。
他にも歌う事で、うつ病をはじめ様々な病気や症状が改善されるという臨床結果もあるんです。
また言葉には力があり、歌で言葉を発することで、気持ちがプラスに向かうことが科学的にも証明されています。感情や思いを、歌にして表現することで、心にたまった感情を発散させることができるそうです。
もし悲しい気持ちがたかぶって泣いてしまったとしても、感情を発散させることにつながり、ストレスを減少させることができます。感情を発散させることはとても大切なことですね。
始めての子育てで、赤ちゃんにどのような言葉をかけたらよいのかわからない、という方もいらっしゃると思います。
そんなときに、昔ながらの童謡や遊び歌はとても良いですよ。
歌っている大人の私たちも、自分が小さかった頃のなつかしい幸せな気持ちになれるので、赤ちゃんにもパパママにも効果ばつぐんです。
人とつながり、自分はひとりじゃないんだ、と思うことは、うつ状態の真っ暗闇の心の中の一筋の光になります。同じ仲間と共感することはとても大切です。
私は、産後うつだった時、同じ時期に出産をして入院中に知り合ったお友だちからもらったお手紙を何度も何度も読んで、心の支えにしていました。
内容は、おうちでどんなふうにすごしているか。育児の不安や心配事など。
- 「夜泣きで眠れないよぉ」
- 「おしりがかぶれて痛そう」
- 「病院にいったよ」
- 「勇気を出して、初めて赤ちゃんをベビーカーに乗せて、二人きりで大急ぎでお買い物をしてきたよ」
など、毎日の子育ての中で起こるちょっとしたことから、大きなことまで色んなことをお互いに共有しました。
「育児で大変な思いをしているのは私だけじゃない」という仲間意識や共感が、私を助けてくれました。
ほんのちょっとでも、
自分の悩みや不安を、言葉にして誰かに伝えられたら、心も軽くなります。
産後うつは誰でもなる可能性が有ります。
でも、真っ只中の時は自覚し辛いし、気づきにくいもの。「まさか私が!?」と認めたくない。認めたら親失格と勘違いしてしまうママがいるかもしれませんね。
少しでも辛いな。不安だな。と感じたら、声に出してみましょう。
そして、何人かの人に聞いてもらいましょう。
一緒に暮らす家族が理解して助けてくれたら良いけど、実際はパパもパパとしていっぱいいっぱいで難しい事もありますね。
親には心配かけたくない、、、。
誰に話したら良いかわからない時もありますね。
でもね、
『話そうよ』『私も話したい』と思っているママ、『話聞くよ』と両手を広げている先輩ママ、『相談して』と待っている人や場所は意外と多いのです。
各自治体の子育て相談窓口、児童相談所、子育て支援センターなどなど。
うたべびまのお教室やオンラインもその一つです。
現在はZOOMを使ったオンラインのレッスンや相談を行っているお教室もあります。
まずはほんの少しだけ、やってみよう♪
私の産後はそんな状態でしたが、スキンシップをとろうと、気力をふりしぼって入院中に習ったオイルを使うベビーマッサージを赤ちゃんにやってみました。
けれども、目を見て、話しかけながら、は気分の落ち込んでいる私にはできませんでした。かける言葉もみつかりませんでした。
そして、小さくて壊れてしまいそうにみえる赤ちゃんを、どう扱ったらよいのか、さわったら泣いてしまうのではないか、そもそもだっこから下に降ろしたらきっと泣いてしまう、と恐ろしいことだらけでした。
少しでも泣きそうになるとこわくてできなくなり、裸でオイルだらけの赤ちゃんを、どうしたらよいのかわからなくなってパニックに・・・。
気持ちがいっぱいいっぱいのときは、何かをしたいと思っても気力が湧いてこないものです。
準備するものがあったりすると、その時点で「そんなにたくさんの準備をして、できるのだろうか?」とやる気がしぼんでしまいます。
そんなときに、私が出会ったのがうたべびまでした。
服のまま、なんの準備もなく始められ、抱っこしてでもできるのがうたべびまです。
赤ちゃんのご機嫌が悪くなったらすぐ終わりにできる。
いつでもどこでも気軽にできる。
苦しかった私の産後でしたが、
日々の育児の中に少しずつうたべびまを取り入れていき、だんだんと赤ちゃんとの関わり方も自分なりのペースが掴めてきました。
まずは気負わず、ほんの少しだけ。
「うまくやろう、ちゃんとやろう」と
気負わなくていいんです。
日々の生活の中にほんの少しだけ変化があると
何かを変えるきっかけになるかもしれませんよ♪